そろそろ人生決める時期なので、さすがにテンパってるよ。既に決心はついてるけど、チキンだからビクビクしちゃうんだ。まるで注射を打たれる寸前の小学生みたいに。
そんなナイーブなタイミングでくだらない出来事は起こる。いつもどおりpasmoで自動改札をスルーしようとした僕は、残額が80円しかないことに気づいていなかった。入場料にも満たない。ゲートが警告音とともにフルパワーで僕の行く手を阻んだのは当然のことだ。一緒に居た友達には先に改札の中で待っててもらうことにして、券売機へチャージをしに行った。程ほどに残額を増やして今度は華麗に改札を通り、友達に話しかけると、なにやら不機嫌な様子。
友「いま凄ぇむかつくババァがいたぞ。お前が引っかかる前を歩いてたババァが、ゲートに引っかかったお前に向かって『
人の道通ろうとするから罰が当たったんぢゃ!』って酷いツラで言ってたよ。自分のことじゃないけど思わずカチンときたわ」
どうやらババァは僕がピッタリ背中に付いて歩いて無賃乗車しようとしたと思ったらしい。なるほど、ちょっとpasmoのチャージ切れてただけの善良な市民である僕を犯罪者扱いね。大人のくせにけしからん奴だ。早めにどうにかなっちゃえばいいのに。
でも案外僕自身あまりイライラしてなかったりする。理由は二つあって、一つは直接発言を聴いてないってこと。よっぽどイラッとする言い方だったらしいけど、見てないし聴いてないからね。なんとも言えん。もう一つの理由は、その発言に対してその場で友達が反論してくれたってこと。ババァはコソコソ去ってったらしいけど、僕の名誉のために怒ってくれたってのは、ちょっと嬉しかったぜ。友情サイコー。
ちなみにババァの台詞は『罰が当たったんじゃ!』じゃなくて『罰が当たったんぢゃ!』に違いないという結論が出たので採用した。